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階段室には横須賀の写真などが貼られている。石内都展から
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 建物や人の体、そして遺品から、詩情を浮上させる写真作品で知られる写真家・石内都さん(77)は神奈川県横須賀市育ち。一方で生地にして、6年前から拠点を置くのが群馬県桐生市だ。いま、同市の大川美術館で大規模な個展を開いている。開幕トークでの「写真は空間に影響される」という言葉を証明するような充実の展示になっている。

 階段室や、展示室が雁行(がんこう)する館内の壁に、街や建物をインクジェットで大きく引き伸ばしたプリントが貼られていて、ここは街の中か?と思わせる。1980年代の横須賀をモノクロで捉えた表現や、現在の桐生をカラーで写したものなどが選ばれている。

 故・大川栄二さんが89年に創設した同館は、山の中腹の斜面に建てられた社員寮を改築、さらに増築したため、最上層から入館して、中小の部屋が連なる建物内を4層分、下りてゆく特異な空間構造を持っている。

 その全展示室を使う展覧会は…

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